チェスとはどんなゲームか
チェスは8×8のボードで行われる2人対戦の思考ゲームです。白と黒それぞれ16個の駒を使い、相手のキングをチェックメイト(逃げ場のない状態)にした方が勝ちです。古代インドを起源とするとされ、1,500年以上の歴史を持ちながら、今も世界中で何億人ものプレイヤーが楽しんでいます。
チェスの特徴は「運の要素がゼロ」であることです。ダイスもランダム性もなく、勝敗はすべて自分の判断力と読みにかかっています。だからこそ、考えるほど上達できる奥深いゲームです。
駒の種類と動き方
チェスには6種類の駒があります。それぞれ動き方が異なり、その組み合わせが戦術の多彩さを生み出します。
| 駒 | 記号 | 動き方の概要 | 強さの目安 |
|---|---|---|---|
| キング | ♚ | 縦・横・斜め1マスずつ移動 | ゲームの要(失うと即負け) |
| クイーン | ♛ | 縦・横・斜め 何マスでも移動 | 約9ポイント(最強の駒) |
| ルーク | ♜ | 縦・横 何マスでも移動 | 約5ポイント |
| ビショップ | ♝ | 斜め 何マスでも移動(色固定) | 約3ポイント |
| ナイト | ♞ | L字型(2+1マス)。他の駒を飛び越せる | 約3ポイント |
| ポーン | ♟ | 前方1マス進む(初手のみ2マス可)。斜め前に取る | 約1ポイント |
各駒の詳しい解説
♚ キング — 守るべき王
キングは縦・横・斜めの8方向に1マスだけ動けます。動き自体は遅いですが、チェスでいちばん大切な駒です。チェック(攻撃)を受けたらかならず対処しなければならず、キングの安全が常に最優先になります。
序盤はキングをあまり動かさず、早めにキャスリング(後述)して安全な場所に移すのが基本です。
♛ クイーン — 最強の攻撃駒
クイーンはルークとビショップの動きを合わせ持ち、縦・横・斜め全方向に何マスでも動けます。チェス最強の駒です。ただし強力すぎるぶん相手の狙い目にもなりやすく、序盤に無闇に前へ出すと軽い駒で追い回されて時間を浪費します。
♜ ルーク — 直線の支配者
ルークは縦か横に何マスでも動けます。開いたファイル(駒がいない縦列)を制圧するのが得意で、終盤でとくに力を発揮します。2枚のルークを縦に連結させる「ルーク重連」は強力な攻撃形です。
♝ ビショップ — 斜めの射手
ビショップは斜め方向に何マスでも動けます。白マスビショップはゲーム中ずっと白マスだけ、黒マスビショップは黒マスだけを動きます(色は変わりません)。障害物のない開けた盤面で真価を発揮し、長い対角線にプレッシャーをかけつづけられます。
♞ ナイト — 唯一の飛越し駒
ナイトはL字形(縦または横に2マス進んで、垂直方向に1マス)に動きます。他のどの駒の上も「飛び越せる」唯一の駒です。どれだけ盤が混み合っていても関係なく動け、相手が思いもよらない角度から攻めてこられるのが最大の魅力です。
♟ ポーン — 小さな歩兵
ポーンは通常、前方に1マス進みます(初めて動かすときだけ2マス進める選択肢があります)。取るときは斜め前方1マスに移動します(通常移動とは方向が違う点に注意)。
3つの特殊ルール
1. キャスリング(Castling)
キングとルークの間に駒がない場合に1度だけ使える特殊な手です。キングを2マス横に動かし、ルークをキングの反対側に移動させます。キングを安全な場所(端の列)に移動しつつ、ルークを中央に活用する重要な手です。
ただし次のどれかに当てはまるとキャスリングできません:キングかルークがすでに動いている/キングがチェック中/キングが通り過ぎるマスが攻撃されている
2. アンパッサン(En Passant)
ポーンが初手で2マス進み、隣の列の相手ポーンと横並びになったとき、その相手ポーンを斜め後ろに動いて取ることができます。この権利は次の手限定です。知らないと損する「奇襲」的なルールです。
3. プロモーション(Promotion)
ポーンが相手陣の最奥の列(8段目)に到達すると、クイーン・ルーク・ビショップ・ナイトのいずれかに昇格(プロモーション)できます。ほとんどの場合クイーンに昇格しますが、局面によってはナイトに昇格することもあります(ナイトプロモーションと呼ばれます)。
チェスボードの読み方
チェスボードはaからhの列(ファイル)と、1から8の段(ランク)で表します。たとえば「e4」はeファイルの4段目のマスを指します。この表記法を「代数記法」といい、ゲームの棋譜(手の記録)はこの形式で書かれます。
白は1段目・2段目に駒を並べてスタートし、黒は7段目・8段目にスタートします。白が先に指します。